『怪異と乙女と神隠し』に表紙でビビッと来て試し読みしたらページをめくる手が止まらない。
怪異×ミステリーの物語に詰まった性癖。
背筋がゾッとする恐ろしさを感じる瞬間もあれば、ちょっとえっちなシーンにドキッとしてみたり。
特にヒロインの菫子さんにどっぷりハマってしまいました。
オカルト好きのみならず、フェチを刺激する性癖に夢中になってしまう人も少なくないのでは。
魅力たっぷりな菫子さん
緒川菫子(おがわすみれこ)28歳。書店員兼小説家。
短い太眉にIカップの豊満なバストに漢っぽい口調。彼女の造形だけで引き込まれる人もいるんじゃなかろうか。
かつて15歳の若さで作品を出版し注目を集めるも、28歳となった今ではかつての輝きはどこへやら。
現状への焦り、過去への憧憬。人生が行き詰まり、「若さ」に執着したがために怪異と出会ってしまったのかもしれない。
いつの間にか本が増える「逆万引き」の本にまつわる怪異に巻き込まれていくことになる。
彼女の身に起こった出来事のおかげで、1人でロリからJK、成人女性までこなせるのズルくないですか?
可愛らしい幼少時に、スタイル良しな学生時代に、むっちりアラサー時代。どの年代の菫子さんも違った魅力があるんだろうと思わされる。
性癖を感じたのは何度もあるが、シャワーシーンと、化野兄妹との会話シーンを見比べたときの衝撃よ。
そこまでこだわるかと驚くとともに唸らされた。若いときは片方だけ…なんですよね。
怪異、ミステリーに菫子さん。一度読んだら彼女のことが頭から離れてくれない。
謎が深まる化野兄妹
菫子さんが怪異に囚われたときに助けてくれた化野蓮(あだしのれん)くん。同じ書店で働く同僚だ。
飄々として掴めない性格をしている印象。
童顔糸目で熟女好き。熟女というよりも菫子さんが好きな風に見えるが。
その上、怪異に詳しかったり、彼と妹はただの人間ではなさそうだったりと、ミステリアス。彼が抱える謎が「別れ」に繋がるのかも。
兄大好きな乙(おと)ちゃん。高校生らしからぬ純粋さが可愛らしい。兄を慕うばかりに菫子さんに対抗心を燃やす。
微笑ましくて「菫子さんに負けるな!頑張れ!」と応援したくなっちゃいますね。
物語の終着点は…
「ささやかな友情と別れに関する記録」と作中で語られている通り、いつかは菫子さんと化野兄妹の別れはやってくるのだろう。
彼らの身に起こった不思議な出来事を、菫子さんが振り返って物語っているようにもみえる。
別れまでにどんな怪異と出会い、問題を解決していくのか。同時に、どんな性癖が詰まった描写が待っているのか。
オカルト好きはもちろん、そうでなくとも話運びとキャラの魅力でぐいぐい読ませてくれる作品。めっちゃオススメです。
現代怪異!謎解き!異世界ミステリー!<これは、数々の怪異をめぐるささやかな友情と別れの物語――>若返りの怪異“月読の変若水(ツクヨミノヲチミズ)”絶対に声に出して読んではいけない“異界の歌”知らない本がいつの間にか書棚に並ぶ“逆万引きの本”神隠しの実録ルポルタージュ“仙境異聞”・・・首都圏のとある中心駅、この町では何かが起きている……。令和の世に残された最後の迷宮、“現代怪異”のミステリーに、しがない小説家志望の緒川菫子(おがわ・すみれこ)と、童顔糸目の魔少年・化野 蓮(あだしの・れん)のコンビが挑む!求められるのはオカルト知識と体力勝負!この町にあふれる数々の怪異を解く先に2人を待つものは……?ミステリアス&バイオレンス&アクション&エロティック現代怪異ロマネスク!!!
関連記事
『怪異と乙女と神隠し』2巻感想 畦目先生の過去に胸が痛む…描き下ろしで幻の銭湯シーン解禁!
感想・レビュー カテゴリーの記事一覧