『SHY』シャイな少女ヒーローの成長譚!悩みを乗り越え、人々を救う姿が胸熱!

感想・レビュー

新たなヒーロー物語が誕生!なんと主人公は恥ずかしがり屋な少女!

ヒーローなのにシャイとギャップのある設定から興味を唆られる。

弱さを抱えているのに共感するし、その弱さゆえに人々を救える点に胸が熱くなります。

彼女が悩みながらもヒーローとして成長し、活躍していく姿に期待しかない!

ヒーローがシャイ!?

21世紀半ばに、平和を願う時代に突如現れた「ヒーロー」たち。各国に1人ずついて、人々を災害や事件から守っています。

日本のヒーローは、内気で恥ずかしがり屋な少女・シャイ。本名・紅葉山輝(テル)。

人前に出ると緊張してうまく話せないほどのアガりっぷり。

多くの人の前に出るはずのヒーローなのに、シャイな性格がギャップよ。

ヒーロー名「シャイ」も、見事に名は体を表したネーミング。

緊張しがちとはいえ、やはりヒーロー。遊園地のジェットコースターが途中で止まる事故にはすぐさま駆けつけ、人命救助に取り掛かる。

残り1人、無事すべての人を助け終えられるかに思えたタイミングでアクシデント発生。命は助かったものの、意識不明の重体に。

あと少し早ければ…と考えずにはいられないが、最善は尽くしたと言えるのではないか。

そう思えるのは外野にいるからで、当事者であるシャイはまだたった14歳の女の子。「もしあの時…」と悩むのは当然だ。

そもそも、なぜ日本に候補はたくさんいるだろうに、14歳の少女が選ばれているんだろうか…

ヒーロー復活

失意のなか、新しい事件が発生。行かなきゃダメだ、行かなきゃダメだと無理やりにでも身体を動かそうとするが…

ヒーローの心に、もう一度火を灯すのは、小さなヒーロー。シャイが以前に助けた男の子だ。

助けた相手に心が救われる。なんて素敵な流れか!

助けた人がまた別の誰かを助けていく。公にヒーローと呼ばれるものでなくとも、誰かを助けたいと願っているなら、誰でもヒーローになれる。

怖さに負けて、心が折れてしまったとしても、恥ずかしがり屋なヒーローはまた立ち上がる。

魂がたの震える展開だ!

飲んだくれヒーロー・スピリッツ

各国のヒーローのなかでも序盤から登場しているロシアのヒーロー・スピリッツが特にお気に入り。

酒を片手に語らう陽気なお姉さんヒーロー。落ち込むシャイの元を励ましにやってきてくれる。

彼女が過去に抱いていた考え。酔っ払いと書いて「ハッピー」と読む。みんな丸ごと飲んだくれになれば、何もかも馬鹿らしくなって平和になると。

なるほど、そういう考えもあるか〜〜〜!能天気な考え方も好き、

常に酔っ払って、ふらふらして、何をしに来たか忘れるようなお姉さんでも、悩み、道に迷っている人がいるなら手を差し伸べてくれる。助けとなる言葉をくれる。

たとえヒーローとはいえ、その身一つですべてを救うことはできない。彼女の言葉が落ち込むシャイの背中を押す。

どうしてシャイにそこまで肩入れするのか。同じヒーロー仲間としてだけではないようで、理由も気になりますね。

「心」を悪用する敵の存在

ヒーローが戦うべきは「スティグマ」と呼ばれる者。人の心を悪用して暴走させる。

ヒーローが心の正の力を糧とするのとは逆に、スティグマは憎悪や後悔といった負の心を利用する。

どちらも「心」を利用している点では同じだが、目的が違えばまったく出力も変わるのが興味深い。

よりにもよって敵が目をつけたのはテルの友人である小石川惟子(イコ)。

見るからに禍々しい姿にゾッとする。もし同じように心を悪用された人たちが続出すれば、世界は崩壊するに違いない。

豹変したイコをどうやって助けるか。「助けて」と願う友人の声に応えられたのは、他でもないシャイだからだ。

かつては自分で自分を責めていたシャイだからこそ、人の弱さに、素直に助けを求められないイコを救うことができる。

小さなヒーローのおかげで成長したシャイが眩しい。助け、助けられ、ひとつひとつの出来事が次につながっていく。

脅威が近づいたとしても、時には挫けそうになったとしても、シャイならば乗り越えてくれるはず。

未熟なヒーローが人を助け、また時には助けられて前に進んでいく。

シャイの成長をこれからも見守れるのが楽しみです!

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