『怪異と乙女と神隠し』2巻感想 畦目先生の過去に胸が痛む…描き下ろしで幻の銭湯シーン解禁!

感想・レビュー

1巻の表紙でビビッときて購入した『怪異と乙女と神隠し』。

2巻もミステリー、怪異のおどろおどろしさ、性癖が混ざり合っていて最高でした。

舞台は乙ちゃんが通うお嬢様学校。「ヨダレカケ」と呼ばれる謎の現象に菫子さんが挑む!

怪異の正体は…


若作さんこと菫子さんを囮に使った作戦でおびき出されたのは、畦目先生。

いじめを許さない、優しそうな彼女が犯人とは。

追い詰められた彼女の思い切りの良さに驚く。

直接舐めると効果が絶大。菫子さんじゃなかったら死んでたぞ!!!

お守りをつけるだけでなく舐めたことでさらに呪いを取り込んだのか…

先生に対抗する化野くんの奥の手が凄まじい。畦目先生自身がこれまでの報いを受けた形。

何度呪いを使ったかは定かじゃないが、殺すまではいってないのは一安心。

全裸で泥にまみれる姿に癖を感じてたまらない。化野くんに匂いを嗅がれるシーンも好き。

そして頑張った化野くんにご褒美(?)の膝枕。

下から見上げた菫子さんがツボ。

「ソシャゲのダメージ差分」は言い得て妙。まったくサイズが合っておらず、収まりきってない件。

畦目先生の過去


明かされた畦目先生の過去。

家族を失った畦目先生(真奈美)は、田舎の祖母のもとで育てられることに。2人は慎ましくも幸せに暮らしていたが…

祖母の想いが、真奈美の善意が悪意に踏みにじられたのに胸が痛む。

助けてくれるはずの先生にすら誤解された絶望はいかほどか。

「家族が婆ちゃんだけでごめんなぁ」と謝る祖母に胸が痛む。

謝る必要なんてないのに…

真奈美へのいじめが祖母へのいじめへ。田舎の狭いコミュニティの排他性か…

からかったクラスメイトの親が有力者だったりして。

「いじめのない世界を作る」価値観が、真奈美の中で形成されたのに納得。

また、彼女が呪いに気づいたのはいつなんだろう。

祖母の死後も続くいじめで、床にこぼした給食を食べたときか。暗転が意味深。

いじめっ子は死んではないにしろ報いを受けたのなら胸がすく思い。

事件後、川の字になって眠る畦目先生たちを見て、心が救われた気がした。

家族を失った彼女が、いっときとはいえ新しい家族を持てたような。

犯した罪は消えないが、きっともう大丈夫だと思える。

また道を踏み外しなら、友人となった菫子さんが正してくれるだろう。

謎の”おっさん”


事件で傷ついた化野くんが尋ねたのは得体のしれないおっさん。

軽薄っぽいけど、実は頼りになるおっさん、大好きです。

「あちら」から「こちら」の世界にやってきた者が、不便なく暮らすために色々と取り計らってくれる模様。

化野くんの目の件についても詳しい。「本来人が居ていい場所」にいるのも不思議。

おっさんや彼が「上」と呼ぶ存在や、化野くんとの出会いが語られる日もあるのだろうか。

銭湯シーン解禁

連載時には、着替えと上がったあとの一服のみだった銭湯。

むっつりな麻里の実況と読んでる側の気持ちがシンクロして、一緒に突っ込んだ覚えがあります。

いつの間にか着替えもお風呂も終わっていて、涙を流した読者も少なくないでしょう。

なんと描き下ろしのおまけマンガで、お風呂に入っているシーンが解禁!

菫子さん、畦目先生に嫉妬する乙ちゃんが可愛すぎ。

まだ成長期だから…年を重ねれば2人みたくなれるかもしれない。いや、きっとなる。

素晴らしい胸と尻でした。ぬじま先生、ありがとうございます。

2巻のラストで登場した「紅衣小女孩」。

赤い服の子供が連れ去った人は無事だろうか。トモコとシズク、女子2人の物語も気になります。

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